凄いアニメを見てしまった。『チ。-地球運動について-』

 

最近YouTubeを見ていたら、『チ。-地球運動について-』というアニメが凄い、というショート動画を見かけた。内容はどうやら天文学、宗教、歴史、哲学、が混ざったような内容のようだ。2024年の夏に、『ハイキュー!』を観た事をきっかけに、アニメにハマってしまった私。このアニメも気になったので、早速見てみる事にした。

 

1. あらすじ

『チ。―地球の運動について―』は、15世紀のヨーロッパ某国を舞台に、当時異端とされていた「地動説」を命がけで追究した人々の物語。

2. 見どころ

①哲学的

『チ。―地球の運動について―』では、第3話でソクラテス、エピクロス、セネカといった哲学者たちの名言が登場する。普段の慌ただしい生活の中では、こういった言葉にを耳にすることや、深く考えたりする機会はなかなかない。だが、このアニメを観ていると、こういった偉人の思想に触れることができ、考えさせられる。

そういえば、5歳の娘が寝る前に「死んだらどうなるの?」「死ぬのが怖い」と尋ねてくることがある。今までは、「死んだら、寝た状態がずっと続いている感じかな?」とあまりうまく答えられずにいたが、このアニメを通して哲学者たちの言葉を知り、自分が気に入った思想を娘にも伝えてみようと思った。

哲学なんて、日常とは無縁だと思っていた。だが、子どもが発する「どうして?」「なんで?」という問いは、まさに哲学だ。

そして、ふと亡き父の言葉を思い出した。
「子どもの『どうして?』『なんで?』が3回続くと、哲学だ。」

当時もなるほど!と思ったが、今になって尚更その言葉の意味が分かる。

②映像と音楽がいい

地動説がテーマのアニメなだけあって、星空がよくシーンに登場する。そして、そのシーンの映像がかなり綺麗なのだ!私は、漫画は読んでいないのだが、こういった綺麗な映像はアニメならではだろう。

また、「サカナクション」によるオープニング曲の『怪獣』もアニメの内容とマッチしていて、YouTubeで何回も聞いてしまった。アニメの中で流れる曲も素敵なので、漫画だけでは味わえない魅力がある。

③キャラクターが魅力的

このアニメには魅力的なキャラがたくさん出てくるけど、特に私のお気に入りはラファエル、バデーニ、ドゥラカ。この3人みんな知的で頭がキレるが、それだけじゃない。

物語が進むにつれて、彼らが出会う人や出来事によって、少しずつ考え方が変わっていくのがすごくいい。最初はちょっと冷めていたり、自分の信念にこだわっていたりするけど、地動説に関わったことで人と出会い、変わっていく。英語ではよく「character development (キャラクターの成長)」と言われるが、まさに登場人物の成長が面白いのだ。

ちなみに、バデーニに関しては人を見下したような性格と、顔の傷がなんとも言えないかっこよさを与えている。

④英語の勉強になる

わたしは日本語の音声で英語字幕をつけながら見たのだが、英語の訳と日本語の違いを見つけたり、新しい単語が学べたり、勉強になる箇所がいくつかあった。

特に印象的だったのは、3話目のラファエルのセリフ。

「敵は手強いですよ。あなた方が相手にしているのは僕じゃない。異端者でもない。ある種の想像力であり、好奇心であり、・・・ひっきょう。それは知性だ。

英語訳は下記の通り。

Your enemy is a resilient one. The thing you all oppose isn’t me. Nor is it heretics. It’s part imagination and curiosity. In short, it’s truth itself.

「知性」という言葉を「intelligence」と訳すのが自然だと思いがちだが、英語字幕ではあえて “truth” が使われていた。これは、「想像力や好奇心の果てにある普遍的な真理」を表しているのだろう。日本語と英語で、言葉の選び方が違うのが興味深い。


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3.おわりに

『チ。-地球運動について-』のアニメは、わたしの住むカナダではNetflixで視聴出来る。英語のタイトルは『Orb: On the Movements of the Earth』アニメ好きのカナダ人の知り合いに勧めたら、次に会った時に、「3日で見終わった」と言っていた。わたしですらまだ見終わってなかったので、勧めた私もびっくり!リアリティのあるアニメや、歴史、哲学が好きな人にお勧めである。

 
 
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